2011年夏 ブログ『富士宮口から富士山を見上げるW」
| 8月31日(水) バナジウム水 |
![]() 台風11号と12号が接近中、今後の動きが気になるところ。 12号が9月2日辺りに直撃しそうなので富士登山を予定している方は 台風情報に十分留意され台風を避けて登山して下さい。 昨日、富士山には水がないと書いたが、富士山麓は湧水で有名、富士宮市では 浅間大社の湧玉池、養鱒の淀師地区、白糸の滝などが知られている。 近年、その富士山の湧水にバナジウムが多量に溶け込んでいる事が知られてきた。 富士山麓の地下7層になっている玄武岩の溶岩層を富士山の雪解け水や雨水が 長い年月をかけて通過して行く。その間に不純物がろ過されバナジウムや多くの ミネラルが溶け出す。玄武岩は地表に噴出したマグマが瞬間的に固まってできる 岩石で、豊富なバナジウムを含んでいるそうだ。 バナジウムは、人間の体内で血糖値を下げる役割のインスリンと同程度の働き があると云われている。最近、多くの飲料メーカーが富士山麓に進出、 富士山のバナジウム水を商品化して水商売をしている。 |
| 9月1(木) AED(自動体外式除細動器) |
![]() 高鉢駐車場近くで見つけたマムシグサ。花が鎌首をもたげているマムシに 似ているとか偽茎の模様がマムシに似ているとかで怖い名前が付いたらしい。 マムシのように毒も持っているとの事だ。 24日14:20ころ七合目付近で突然体調不良を訴え意識を失した47歳の男性 がいた。そこに居合わせた上西さん(32歳)は男性の容態を観察、呼吸も脈も なかったため、心肺蘇生を試みた。同時に山小屋のAEDを持って来るように指示、 AEDで電気ショック(徐細動)を与えた。男性は呼吸、脈ともに再び動き出し、 山岳救助隊が到着する頃には会話も出来るまで回復していたそうだ。 突然死の危機から男性を救命した上西さんに対し富士宮市消防本部は感謝状を 贈ったと31日付の新聞に載った。 去年から富士山表富士宮口登山組合が各山小屋にAEDを設置した。でも、 AEDがどんな場合に有効かも知らなかった私がその場にいたと仮定してAEDを 使えただろうか、ちょっと疑問。 「除細動」とは心停止したときに電気ショックなどを与えて心臓を正常な状態に 回復させようとすること。突然元気な人が倒れたとき、その原因の大半は心臓が 小刻みに痙攣する「心室細動」であると言われており、それを止める方法は 心臓に電気ショックを与える「除細動」しかないという。 「心室細動」は発生してから1分ごとに7〜10%蘇生率が減少していくそうだ。 除細動の資格を持った救命士などを待っていては命を救える確立がどんどん 低くなってしまうので、今は資格がなくても取り扱えるように法改正された。 AEDはスイッチを入れさえすれば、音声メッセージでその都度指示をしてくれる ので、それにしたがって操作すれば特に使用方法を覚えることもなく簡単に使用 することができるそうだ。 でも、上西さんは普通救命講習を受けていたとの事、だからこそ手際良く処置 できたのであろう。今日では山小屋だけでなくデパートやスーパーなど、大勢の 人が集まる所にはAEDが置かれている。万一の場合に備え講習を受けて、 使い方を練習しておく事は無駄ではないように思う。 |
| 9月2日(金) もう一つのトイレ問題 |
![]() 台風の接近で五合目は閑散としている。5日の正午で六合目から上の 登山道は通行止になる。それまでに晴れる日はあるのだろうか。 9月2日現在、富士宮口五合目に行く定期バスは1日3往復運行されているが、 2日と3日の2日間は台風の影響で運休するとの事。五合目まで上る予定の方は 事前に富士急静岡バス(TEL:0545-71-2495)へ確認してください。 七合目以上にある山小屋も今週末で全部が閉じてしまう。そこで困るのが 夏山登山期間外の登山者の花摘みとキジ撃ち。富士山は樹木がないので 隠れる場所がなく、隠れたつもりになれるのが大きな岩の陰や小屋の周り、 お花がないのに花摘み、キジがいないのにキジ撃ちの場になる。 昨年は指導センターに、山小屋の周囲のあちこちに人糞がありそれを踏ん 付けてしまったというクレームがあった。 何年か前までは富士山のトイレは便器の中から風が吹き上げ強烈な臭いを 運んできた。一度トイレに入るとしばらくは着衣の臭いが消えないほどだった。 今はバイオトイレ等が設置され臭いもなく、とても快適になった。それが山ガール 増殖の一因だという説もある。でも、それは夏山期間中だけ。 9月の第一日曜日を過ぎても登る人は大勢いる。なのに表富士宮口七合目 以上にトイレは一つもなくなってしまう。富士山は開山期間中以外は通行止め なので登る人はいないはずという建前だけではトイレ問題は解決できない ように思う。何ヶ所か携帯トイレ用のブースを設けて、登山者に携帯トイレを持参 してもらうとか何らかの対策が必要ではないだろうか。 |
| 9月3(土) 台風の接近 |
![]() 原発事故で貞観地震がクローズアップされているが、その貞観の時代の 文章博士、都良香の『富士山記』に「山を富士と名づくるは、郡の名に取れるなり」 とあるそうだ。富士山の語源は諸説があるようだが、明確に富士山という字が 使われるようになったのはこの『富士山記』が最初らしい。 何を隠そう私の生まれたのはその駿河国富士郡、と言っても別に自慢するほどの 事ではない。富士山の近くだから富士郡と思っていたのが富士郡にあったから 富士山というのは意外。 台風12号が最初の予想よりやや西に寄ってゆっくり北上している。 その影響で富士山の天気予報は4日も雨マークが付いてしまった。 富士宮駅前から見る富士山は雲の流れが速い。何も遮るものがない富士山は 風雨が強くなっているので、五合目の総合指導センターは15時前に店じまい。 最も風雨が強まるとの予報が出ている3日も休業し4日の午前8時に再開する予定。 そして、総合指導センターは4日の17:00を以って今夏の業務を終了する。 富士宮口の6合目から山頂のルートは5日の正午で冬期閉鎖される。 なお、五合目までの定期バスは1日に3往復、9月いっぱいは毎日、 10月は土日祝日に運行されます。天気の安定するこれからの時期に 宝永遊歩道や五合目周辺からのトレッキングコースを歩くのも良いかと思います。 |
| 9月4日(日) 最終日 |
![]() 3日、台風が接近しているのにも拘わらず富士山に登り、自力で下れなくなって 救助要請してきた人たちがいる。8/26の日記にも悪天候の中を登る命要らず がいると書いたがこの人達は命が欲しいらしい。富士山は遮るものがない ので平地とは比較にならないほど風雨が強くなる。台風の進行方向の右側は 影響が広範囲及ぶので余計に注意が必要、今回の台風12号がそれにあたる。 山岳救助隊は救助要請した人たちが自力で下れないような風雨の中を富士山 へ登ってその人達を安全に下ろさなければならない。 救助を求めた人達より体への負担も危険も格段に大きく命懸けの仕事となる。 そこを考えれば台風の中をお気楽に富士登山などという事は出来なくなる と思うのだが…。 とか何とか言っても無事に救助される事を祈りたい。 富士山五合目の総合指導センターは本日の17:00をもって閉所します。 このブログもそれに伴い本日で終了です。 観光協会の富士山担当の臨時職員として勤め始めたのが6月末。 県の強い意向で指導センターにI‐Padを置いて登山情報を提供しよう云々 となったのがきっかけでブログを書くことになった。ノルマではなかった のだが、短い期間なので出来るだけ休まないようにと自分に課した。 毎日、富士山の五合目まで上れば良いのだが中々そうはいかない。 富士山にまつわるエピソードなどを入れて書くと意外とスペースが埋まる、 相反して自分の生半可な知識を基に、調べた事を確認もせずに知ったか 振りして書くので間違いも多々あったと思うがどうかご容赦を。その上、 情報提供という主旨からはずれてしまった部分もあるがご勘弁願いたい。 蕎麦は二百十日迄に蒔けと言われているので、遅れてしまった種まきを 明日からでも準備しなければならない。これからはまた百姓、 富士宮の片田舎で土いじりして、時々腰を伸ばして富士山を見上げる生活に戻る。 富士山登山期間中、拙い文章にお付き合いいただき誠にありがとうございました。 |