7月26日

          黒部五郎小屋から三俣山荘

                 コースタイム
                 4:40黒部五郎小屋=カールルート=6:10稜線=6:30黒部五郎岳山頂(朝食)7:10=8:30黒部五郎小屋9:00
                 =10:20稜線ルートと巻道ルートの分岐10:30=巻道ルート=11:30三俣山荘


荷物を小屋にデポして雨具と弁当、少しのおやつをナップザックに詰めて黒部五郎を目指した。
荷物がないと登りが嘘のように楽だ。今まで抜かされる事はあっても抜く事は一度もなかったが
何組かのグループを抜いた。あちこちを水が流れるカールを花を眺めながら歩いた。高度が上がるに
つれて回りの視界も広がった。稜線まで出ると富山平野、富山湾、能登半島が見えた。黒部五郎
から太郎兵衛平薬師岳に至るルートがくっきり見えていた。早く頂上へ行こうと先を急いだ。

6:30黒部五郎岳着。360度のパノラマが広がった。槍、穂高、笠、乗鞍、御岳、白山、能登半島、鍬崎山、
薬師、剣、立山、白馬や後立山の山々、表銀座コースetcが見えていた。写真を撮り、パノラマを楽しみ
ながら朝食を取った。次第に、途中で抜いて来た人達が山頂に到着して混んできたので下ることにした。
稜線ルートを行こうとしたら、そこにいた人が「あまり整備されてないですよ」「普通だったら鎖や梯子が
かけてある箇所がやってないですよ」と教えてくれた。妻がビビッてしまい「来たところを無難に帰ろう」と
いう事になった。

黒部五郎小屋に戻りザックを背負うとずっしり来る。30分程休んで三俣山荘へ向かった。小屋の横の急登に
かかるすぐにキヌガサソウが群生していた。北海道から来たというご夫妻は「北海道にはキヌガサソウがない
ので是非見たい」と言っていたのに。昨日通った時は雨に降られ見逃してしまったのだろう。教えてやれなくて
残念。次第に遠ざかる黒部五郎を何度も振り帰りながら先へ進んだ。雲の平山荘が遠く見え、本当に今日
あそこまで行けるのかなとの疑問が、ふと頭を過ぎった。三俣蓮華岳の山頂ルートと巻道ルートの分岐では
少しでも時間を短縮したいので迷わずに巻道ルートを選んだ。

今日もまた雷雨があるかも知れない、そんな雲行きになりそうな天気になった。三俣山荘へ着いて昼食にしようと
準備を始めるとぽつりぽつりと落ちてきた。雲の平山荘へはまだ3時間以上、雨に降られるともっとかかるだろうと
考え、今日はここで沈没と決定。

小屋で宿泊の受付を済ませ、地図を広げて明日のコースを考えた。鷲羽に登り、雲の平、高天原へ行くコースに
決定。翌々日は高天原から黒部源流を通り、ここ三俣山荘から双六小屋へ戻ることにした。6泊7日の長丁場だけに
無理は禁物、我々の体力で歩くのは1日6〜7時間が限度と分かった。

夕食まで時間があるので小屋にある展望レストランで生ビールを飲み、ケーキセットを頼んだ。その後、空が明るく
なってきたので散歩することにした。槍を眺め黒部の源流を覗いて引き返すと、三俣山荘前に見たような顔があった。
その人が「forestさーん」と手招きをした。会社のE君だった。一人でテントを背負って来ているそうだ。行き先を聞くと
明日は水晶へ登りそれから高天原へ行きたいと言っていた。でも、高天原はテン泊禁止だから小屋泊まり、次の
日は双六へ戻る予定と言う、我々とほとんど同じコースだ。歩くペースが違うだろうから「明日また高天原山荘で!」
と別れた。


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